PDCAダイエットというものがあるかわかりませんが、ダイエットもPDCAサイクルを回すことが大事だと思わずにいられない本です。
数々のダイエット本がある中、いまでこそ、「脳」や「心」にフォーカスされることもある「ダイエット法」の中で、当時は、前衛的だったんじゃないかなぁと思うほど、私は心酔しました。
栄養学とか運動のスペシャリストではなく、心理学のスペシャリストと一緒にダイエットするというのがこの本のポイントです。ここでアドバイスをしてくれている心理学者である海保先生は、筑波大学名誉教授で専門が認知心理学。
ガチじゃん。
心理学は行動の科学と言われている分野。人の行動を科学している行動心理学の側面からダイエットがサポートされています。とても興味深い。
著者は40代女性。過去に何度もダイエットを繰り返してきている中でダイエットの知識はたくさん持っています。
そんな著者の言葉は、「共感」の一言しかなくて、まず序盤にある文章が、胸をうちます。
そっと目を伏せる。なぜなら鏡に映っているのはいかにももっさりしたおばさんであり、
本来の自分はこうであるはずだというイメージとずいぶんとかけ離れていたからだ。
私も友人達と旅行に行った際に撮られた写真をみて、毎回絶望してました。
「なんだこれは」「こんなはずはない」はい、削除。
そんな著者を(読んでいる私を)1歩1歩、淡々とアドバイスしてくれる海保先生のことが、本を読んでいくうちに好きになります。
大切なのは自分の価値観や性質を否定せず、受け入れること
受容なくして変革はない
受容するとポジティブスパイラルが生まれる
否定するとネガティブスパイラルが生まれ、いずれトラウマとなる食べるのが好きな自分は変えられないので、受け入れる
そのうえで、「食事を吟味する」「ゆっくり食べる」などのプランを立てていく
自分のことかと思うよね。
私がこの本の中で好きな言葉です。
受容なくして変革はない
自分を否定しないプランを立てることが大事だそう。
自分の好きなこと、好きな食べ物、どれも捨てなくていい。ただ、太った原因は自分の中にあるから、自分の頭で考えて行動を立てることが重要。
他にもたくさん、心を救うような、行動ポイントや考え方がたくさん散りばめられています。
何かをしたい(欲求がある)のに、しないようにする(行動を抑制する)ことで、満たされなかったという「欲求不満感情」が残りやすくなる
欲求不満が残ると、ドカ食いや間食という行為につながりやすくなる
食べなかったことを欲求不満感情に転化しないようにすること
そのためには、自分の心を一段上からモニターして、コントロールする力、つまりメタ認知が重要になってくる
振り返り習慣をつけて知性を向上させる
知識はもっているだけじゃダメなんだよ
それを生かさないとね。知識を生かしてはじめて「知性」になる
最近でこそ、ダイエットにおいて「受容」の大切さがわかってきたけど、最初はチンプンカンプンでした。
「何言ってんだろ。早く、たくさん痩せられればいいんだけど?」
今ではこの心理思考こそが自分を追い詰めて、リバウンドを繰り返していた原因だということがわかります。
そしてダイエットはあくまでも手段であって目的ではないと思うのです。
(軽い体を手にいれて快適に過ごす、運動を習慣化して健康でいる。みたいな)
この本にもあったけど、ダイエットはあくまでも「生活のなかのいろんな目標の中のひとつ」であることを忘れないようにしたいです。